2007年01月30日

クラインガルテン

 ドイツ語で「Kleingarten=小さな庭」を意味し、ヨーロッパ型の市民農園のこと。19世紀初頭にドイツをはじめとしたヨーロッパ諸国で、庭をもてない都市生活者が自給自足できるよう小区画の菜園をつくる運動が興り、これがクラインガルテンと呼ばれるようになった。
 日本では主に「ラウベ」と呼ばれる簡易な宿泊小屋を併設した滞在型市民農園のことをクラインガルテンと呼んでいる。
 一般の市民農園は1区画20u程度の狭いものが多いが、クラインガルテンでは200u以上の区画が多く、区画内にあるラウベに滞在しながら菜園づくりをゆったりと楽しむことができる。また、多くの農園では、農作業の栽培指導のほか、みそづくりや漬け物教室、収穫祭などを催しており、地域住民との交流を図りながら農山村の生活や文化に触れられるのもクラインガルテンの魅力の一つ。
 農への関心が高まりを受け、全国各地にクラインガルテンの整備が進んでいる。生き甲斐や余暇の楽しみの創出という役割だけでなく、都市住民の農業・農村への理解を深めることにも役立っている。また、都市と農村との交流(グリーンツーリズム)の拠点として、増加しつつある遊休農地を活用する観点からも農村の活性化に有効である。
 さらに今後、増加が見込まれる団塊世代の田舎暮らしや移住の第一歩としても期待されている。
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2005年12月06日

農業体験農園

 農業体験農園とは、畑の耕耘から種・苗の準備、栽培指導までを開設農家が行う市民農園です。いわば、農家が先生となった「農のカルチャースクール」のこと。

 横浜市で「栽培収穫体験ファーム」として始まり、その後、東京都練馬区の農家が都市農業の一形態として取り入れて発展し、現在、横浜市に70農園、1904区画、東京都に35農園、2227区画(2005年10月現在)が開設されています。
 呼び方も、横浜市の「栽培収穫体験ファーム」の他、「体験型市民農園」、「体験農園」などとさまざまですが、ここでは、総称して「農業体験農園」と呼ぶことにします。

 特徴は、園主が1年間に20〜30品目の野菜を作付する計画をたて、そのカリキュラムに沿って利用者が播種・植え付けから収穫までを体験できる仕組みにあります。園主は、1年間の野菜の栽培計画を決め、苗、肥料、農薬、必要な資材などを準備し、植え方や育て方の講習会を開きます。利用者は、講習料と収穫物代として利用料金を支払い自分の区画(30uほど)の世話を行います。プロの栽培ノウハウを学べ、初心者でも立派な野菜を作ることができると利用者には好評です。「農を始めたい」、「農にふれあいたい」人にとって、この農業体験農園は農へのアクセスを容易にする優れたシステムと言えます。

 一方で、利用に当たっては注意も必要となります。まず、従来の市民農園と違い、自由に農作物を栽培することはできません。講習付き貸し農園とも違い、あくまでも「農のスクール」であり、畑は講習で教わったことを実習する場との位置づけです。また、つみ取り農園やオーナー制度のように作業の一部を園主が肩代わりしてくれることもありません。つまり、農作物は利用者の作品とも言えるでしょう。

 農業体験農園では、利用者は農家とふれあいながら、実際の農業体験を通し、農業に対する理解を深めることができるます。
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2005年11月02日

市民農園

 農とふれあう方法として、市民農園がある。農地を持たない都市住民などが休日や余暇を利用して野菜づくりができる。マンションや借家暮らしなど庭がない人には有り難い制度。近所にあれば、やり方次第で冷蔵庫の野菜室代わりにすることも夢ではない。

◆特徴
・ほとんどの自治体(区市町村)で開設されている。
都内の連絡先はこちら千葉県の連絡先はこちら
・1区画は10u〜20uぐらいの広さ。
・利用できる期間は1年間か2年間。
・利用料金は2000円〜6000円ぐらい。

 簡単に言うと、ちょっと狭いけれど、利用料金は安く、作物を自由に育てられる点が魅力。そのため、人気が高く、抽選となるので、継続的には利用できないことが難点。
 良いことばかりの市民農園のようだが、じつは課題も多い。

◆課題その1
・野菜の作り方を教えてくれないので、全くの初心者にはハードルが高い。
・そのため、途中で挫折して、放棄され、草ぼうぼうとなる区画が必ず出る。
・このような区画があると、害虫の発生源や日陰になるなどの苦情が他の利用者から自治体の担当にいき対応に困ってしまうらしい。
・雑草や農薬使用で利用者同士のトラブルが発生することがある。
・栽培経験のある人には、10uでは狭く、作付けできる品目も限られてしまう。
・4月から利用開始のため、ほとんどの人がトマト、ナス、キュウリを作付けする。その結果連作により生育が悪くなる。
・水場や駐車場が無いなど施設面での充実度が今一歩。
・狭いところにごちゃごちゃと作付けされ、景観上乱雑で潤いのある空間とはとても言えない。
・朝早くから来園する人の話し声や来園者の路上駐車など近隣からの苦情がある。
・苦情処理で自治体の担当は大変。

 これらの課題には大きく分けて2つの背景がある。それは、@市民農園の不足とA利用者同士の交流がないことである。

◆市民農園の不足
 市民農園は人気が高いので、開設している自治体は、多くの市民が利用できるように区画数をできるだけ多くとる。その結果、1区画が狭く、公用スペースも確保できないことになる。1区画の面積が30〜50uと広くなれば、隣接区画との境界を離して作付けする余裕ができ、利用者同士のトラブルは防止できる。また、広くなると当然利用料金も高くなるので、安易な気持ちで申し込む人が減るだろう。その分初心者にはハードルが上がることになる。狭い初心者区画と、広いベテラン区画に分けるということで解決する方法も考えられる。

◆利用者同士の交流がない
 現実として、市民農園は面積が狭いため、毎日作業するほどでもなく、週1回程度でも1〜2時間で作業が終わってしまう。そのため隣接区画の人さえ互いに面識がないことも。
 区画を広くできない状況の中でトラブルを防止するため、自治体の担当が管理するのではなく、利用者を組織化し自主的な管理にまかせる方法がある。利用者が自主的に利用マナーを作成することで、トラブルをできるだけ利用者間で解決することを意図している。自主管理となると自治体への苦情相談は確かに減るらしい。一方、ボス的な人物が現れ、栽培方法などあれこれうるさく指示され、他の利用者がイヤになるというリスクも。自主管理と自治体の関与の頃合いが難しい。これらは運用上の問題なので、関係者が知恵を絞れば解決、改善する可能性は高い。
posted by 農楽人 at 20:22 | Comment(1) | TrackBack(0) | 農業用語